高齢者と介護の「今」
少しずつ身体的なサポートが必要になってくる高齢者の生活において、介護の質は大変重要なポイントとなります。現在において「介護」は、心身の状況に応じたその人にとって本当に必要なサポートを行うことと定義されていますが、ここに至るまでにはさまざまな社会的変化が影響しています。これからの高齢者にとって必要な環境や介護について考えるために、現在の状況を確認しておきましょう。高齢化に伴って改善していかなければならない問題や、介護サービスの重要性がみえてきます。
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「介護」という言葉が誕生したのは、明治中期のことです。当時の意味合いは現在とは異なっていて、もっと限定的なものでした。そこからいくつかの段階を経て現在私たちが使っている「介護」という言葉の意味に近づいてくるのですが、その道のりをたどっていくとそもそも介護とは何なのか、本当の意味での支援とは何なのかが少しずつ見えてきます。する人もされる人も、皆が安心できる介護について考えるなら、まずは知っておきたい基礎知識です。
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以前の日本において、介護はその家族、特に嫁などの女性が行うものであるという風潮があったようですが、現在ではその考え方も随分と変化してきました。これからの日本において介護サービスが必要不可欠であることは言うまでもありません。それではなぜ家族以外の手による介護サービスが必要になってきたのでしょうか。深刻な状況である高齢化の問題と共に、自分がその立場になったときのことを考えてみると、その重要性が理解できるはずです。
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進む高齢化に伴い私たち皆で考えていかなければならない課題は山積みですが、その中でも高齢者の普段の生活に直結するさまざまな問題について紹介します。総人口における高齢者の割合が増えていくと共に、高齢者を支える現役世代の割合はどんどん少なくなっていきます。つまり、支える人と支えられる人のどちらも高齢者である場合や、誰にも頼ることができないという状況も想定されるのです。多くの高齢者の収入源となっている年金についても今までのようにはいかず、制度の見直しが予想されています。